「バイトで稼ぎながら観光やスノボができる!」
「短期間でがっつり稼ぎたい!」
など、メリットや魅力がたっぷりのリゾートバイト。勤務先への交通費も出してもらえるし、旅行気分で楽しそう、なんて思っている方もいるのではないでしょうか。
しかし、任期満了前に黙ってバイトを辞めていなくなってしまう、いわゆる「バックレ」をする人が10人に1人程度いるのが現状です。思っていたのとは違った、仕事がキツすぎた…なんてケースが結構あるということです。
結論から言うと、リゾートバイトでバックレは可能です。しかし、おすすめはしません。そこで今回は、リゾートバイトでのバックレ体験談やバックレする人が多い理由、正しい辞め方などについて解説していきたいと思います。
リゾートバイトでバックレた人の体験談を紹介

リゾートバイトで実際いた、バックレた人たちの話を紹介していきます。
- モノを盗んでバックレる相部屋の友達
- 仕事が過酷でバックレる中年男性
- 長期休みを利用してバックレた友人
- 実際に私がバックレた体験談
モノを盗んでバックレる相部屋の友達
リゾートバイトには、生活が困窮している方もリゾバをされているのが現実です。そのため、心や懐に余裕がなく「犯罪行為」をおこなってしまう方がいます。
もちろん稀ではありますが私は多くの犯罪行為を目の当たりにし、実際に被害を受けたこともありました。それは私が「上高地」でリゾバしていた時の話です。
上高地の寮は相部屋で、20代前半の男性と同室になりました。彼は2ヶ月の契約で、その時はすでに満了まで2週間を切っていました。
「延長したいけど、断られたんですよね〜」
と男性は語っていましたが勤務態度(遅刻や無断欠勤)が悪く、断られるのは当然です。とはいっても私は男性と歳が近くまた同室なため仲良くなり、一緒にトレッキングしたり、一緒に星空観測をしたりと親交を深めます。
しかし、男性は当然職場から姿を消しバックレました。残り数日で契約期間が満了だったにもかかわらず、バックレた意味がわかりません。ましてや仲良くなった私に一言もなしに、職場から姿を消してバックレ行ったのはさすがに少しショックでした。
そのうえ、さらにショックなことが起きます。私の勤務中に職場を去った男性は、私の「Switchライト」を盗んでバックレたのです・・・!少し変わった男性でしたが、窃盗するような人には見えなかったため、最初は信じられませんでした。もちろん勤務先に相談し警察沙汰になりましたが、証拠不十分で泣き寝入りするしかありません。
犯罪の被害を実際に受けた私は、このときに「もう二度と相部屋ではリゾバをしない!」と固く決心しました。ただ不幸中の幸いで、私が最も大切にしている「一眼レフカメラ」が盗まれなかったのが本当に幸いです!窃盗を働いた男性はよっぽど、ゲームがしたかったんですかね(笑)。
仕事が過酷でバックレる中年男性
石垣島のリゾートホテルで「客室清掃」のリゾートバイトをしていた時の体験談です。このときのリゾバは本当に過酷でした。朝9時に出勤し、20時や21時まで残業するのは当たり前で、ヒドいときは22時まで仕事をしていたこともあるほどの過酷さ・・・。そのうえ休憩は30分のみで、かつチェックインの時間までに清掃を終えている必要があり、休憩が取れるのは15時を超えるケースがほとんどでした。
そして私がこの職場で2ヶ月が経った時に、リゾートバイトで「中年の男性」が新しく働きにきました。中年の男性はリゾバ歴が長く、元々は有名ホテルの支配人をしていたと豪語しており、体より口をよく働かせていた印象が強く残っています。しかし、中年男性は就業2日目でバックレ姿を消しました・・・(笑)。
バックレる前日に中年男性が「にいちゃんら、こんなしんどいこと毎日してんの・・・?」と私を含め友人に問いかけていたため、恐らく仕事が過酷すぎてバックレたのだと考えられます。
ところが、リゾバ先の社員はバックレられるのに慣れているのか、特に気にする様子はなく「あ、またか」と軽い発言をしていたのをよく覚えています(笑)。社員の発言を聞き私はバックレた中年男性に驚くというよりは、初めてのリゾートバイトでとても過酷な場所に来てしまったのだなと痛感しました・・・
長期休みを利用してバックレた友人
熱海の旅館で「レストランホール」をしていたときの体験談です。熱海でのリゾバは
- 時給よし
- 人間関係よし
- 寮の環境よし
- 賄いよし
- 温泉毎日入れる
と文句なしに良い環境の職場でした。リゾバ先の社員さんはとても人がよく、派遣を大事に扱ってくれるため稀に見るアタリのリゾートバイト!派遣も5〜6人いて、みんな歳が近くスグに仲良くなり、とても最高の環境といえる職場でした。延長率も高く、最長で1年以上も継続して働いている派遣さんがいるほどの好環境。
ところがある日、一人の男性スタッフが1週間以上の休みを取り地元に帰省します。帰省する男性スタッフは次の延長も決めており、次で5ヶ月目です。
しかし、男性スタッフは休日が明けても地元から帰ってくることはなく、そのままバックレたのです・・・。確かに高稼働率で忙しい職場でしたが、それを差し引いても良い環境の職場だったため、男性スタッフがバックレたことを誰もが不思議に思うのは当然でした。
私はバックレた男性と仲が良く、Instagramで繋がっていたため何があったのかと問います。半ば連絡は返ってこないだろうと考えていましたが、なんと連絡はスグに返ってきたのです!「迷惑かけて申し訳ない! 久しぶりに地元に帰ったらそっちに戻る気がなくなってしまった」と男性スタッフから正直な気持ちで連絡が返ってきました(笑)。バックレた理由は深刻なものではありませんでしたが、やはり地元の環境には勝てませんよね。
実際に私がバックレた体験談
さいごに紹介するのは、私が実際にバックレをしてしまったときの体験談です。コロナの影響によりリゾバの派遣は、ことごとく派遣先から派遣切りにあいます。派遣切りは私も例外ではなく、契約期間を満了していないにもかかわらず、突然今月で契約の終了を告げられました。突然の派遣切りに当然焦りを感じた私は、次のリゾバ先を探します。
しかし、コロナ禍で求人数はすずめの涙でしかなく、なかなか採用が決まりません。そのなかでも「西表島」の求人で運よく採用され、無事次のリゾバ先が決まりました。
しかし、結果として私は3日で西表島を去るようにバックレたのです・・・。
理由は以下の通りです。
- 寮の電波が全く通らない
- 寮が汚い
- 寮から職場まで徒歩20分
- 仕事がない(週2勤務)
- 事前に聞いていた条件と違う(レストランと聞いていたのに客室清掃だった)
- 身だしなみにとても厳しい
と上記のような問題が一気にのしかかり、たまらず私はバックレてしまいました・・・特に電波が入らない環境での生活は本当に苦痛でした。YouTube動画はおろか、ライン電話すらろくにできない環境はストレスしかありません。焦って求人を探し、吟味しなかった私にもちろん落ち度があります。
以上のことを踏まえて、条件や待遇は必ず入念に確認してからリゾートバイトをおこなうことをおすすめします。
リゾートバイトでバックれる人が多い理由

それでは、なぜリゾートバイトではバックレてしまう人が多いのでしょうか。
環境の変化が大きい
まず、環境の変化が大きいことが理由のひとつに挙げられます。新入社員として働き始めた時や新しくバイトを始めた時なども、もちろん環境の変化は大きいです。
しかし、仕事を一から覚えなくてはいけないという状況に加え、自宅から遠く離れた場所での寮生活や新しい人間関係など、リゾートバイトならではの大きな環境の変化があります。そのためリゾートバイトでは、特に初日〜2週間くらいの間にバックレてしまう人が多くいるのです。
人間関係でのトラブル
先ほど紹介したパワハラ問題もそうですが、社員に嫌な人がいてネチネチと嫌味を言われたり、いじめがあったりと、リゾートバイトでのバックレで多いのは人間関係のトラブルです。
同じような立場の人が複数いてお互いに励まし合えるような状況ならまだしも、自分1人がターゲットになってしまったり、リゾバスタッフが極端に少ない職場で味方がいなかったりすると本当に大変です。バックレを考えてしまうのも仕方ない、と思えてしまいますよね。
残業や連勤が多い
短期間でがっつり稼げるというのがリゾバのメリットの1つ。
とはいえ、あまりに残業時間が多かったり、異常なほど連勤が続いたりすると肉体的にも精神的にも辛くなってきてしまいます。いわゆる「ブラックリゾバ」と呼ばれるような職場ですね。
休憩時間にスノボや観光を楽しんだり、同じリゾバスタッフと仲良くなったり、なんて期待しつつ参加したのに、実際は仕事ばかりであとは寮に帰って寝るだけ…なんて状況で、追い詰められて飛んでしまう人も職場によっては少なくはないようです。
寮の部屋が汚い
仕事の疲れを癒すための寮の部屋が汚かったり虫がでたりするような環境もバックレの理由のひとつです。
中には求人の時点できちんと確認してきたのに、実際にリゾバの寮に来てみたら部屋が古くて汚かった。設備が不十分だった、なんてケースも。普通の1人暮らしなら住む部屋を実際に見てから決めることができますが、リゾートバイトではそうもいかないのがデメリットですよね。
仕事が大変で寮の部屋も汚かったりしたら気持ちが休まる場所がなくて、バックレたいと思ってしまうのも仕方ないと言えそうです。
理想と現実のギャップ
全ての理由につながることなのですが、リゾートバイトは理想と現実のギャップが大きいことがバックレの大きな理由だと言えます。
休憩時間には観光やスノボを楽しめるし、家賃も食費もかからないからラッキー、なんて気持ちでリゾートバイトに参加したら、仕事はキツイし寮の部屋は汚いし…そんな理想と現実の大きなギャップに、バックレてしまう人が多いのです。
リゾートバイトでバックれるデメリット

リゾートバイトでは追い詰められて仕方なくバックレてしまった、というケースが多いでしょうが、中には軽い気持ちでバックレてしまう人もいるのではないでしょうか。
しかし、バックレには多くのデメリットがあるため、生半可な気持ちでするのはおすすめできません。リゾートバイトをバックレた場合のデメリットをまとめました。
交通費が支給されない
リゾートバイトをバックレた場合でも働いた分のお給料は支払われますし、罰金や損害賠償なともありません。
しかし、往復の交通費は支給されなくなります。通常、交通費は立て替え制になっており、交通費を請求する条件が期間満了となっているからです。
例えば東京に住んでいて沖縄の離島でのリゾートバイトに参加した場合。働いた分のお給料がもらえたとしても、交通費がカットされたら下手したらマイナスになってしまうのでバカにできませんよね。
給料を受け取りに行く必要があるかも
大手の派遣会社であれば口座に振り込みをしてくれるので安心できますが、直接雇用の場合は直接取りにいかないといけない場合があります。
バックレたのに職場まで給料を取りに行ける度胸のある人は、そうそういませんよね。
仕事を紹介してもらえなくなる
「バックレるとブラックリストに載ってしまうので、その派遣会社では仕事を紹介してもらえなくなる」と一般的に言われており、実際に仕事は紹介してもらえなくなります。と、言うよりもバックレてしまった場合、同じ派遣会社に「仕事を紹介してください」とは言いにくくなってしまうと思います。
しかし、派遣会社は複数あるので、例えその中の1つで仕事を紹介してもらえなくなっても、他の派遣会社にまでバックレたという情報が出回るようなことはありません。
つまり、バックレても他の派遣会社ではちゃんと仕事を紹介してもらえます。
実家に連絡される可能性がある
バックレると実家に連絡がいってしまう可能性があります。リゾートバイト先や派遣会社にしてみれば、スタッフが1人、何の連絡もないまま突然いなくなってしまうわけなので、安否確認をしないといけません。
しかし、バックレた本人は派遣会社から電話がかかってきても出づらい、というケースがほとんどでしょう。すると次は、契約時に登録した緊急連絡先、つまり実家などに連絡がいってしまうというわけなのです。リゾートバイトをバックレたことが親にバレてしまうのは、相当気まずい状況ですよね。
ただ、部屋は「もぬけの殻」となっている場合がほとんどで、バックレだと判断され、緊急連絡先に連絡すらしないこともあります。
リゾートバイトでバックれる方法

リゾートバイトでバックレる方法はとても簡単。「誰にも言わずにバイトを辞めて帰る」、それだけです。
基本的には夜逃げという形で夜中にこっそりいなくなってしまう人が多いですが、休憩時間に突然いなくなってしまう人も。荷物も貴重品以外は置きっぱなしでいなくなってしまうなんて人もいます。
簡単にできるからこそ、わりと多くの人がリゾートバイトでバックレてしまうのです。
リゾートバイトの正しい辞め方

リゾートバイトで何らかの事情があって「とてもじゃないけど期間満了まで働けそうにない!」という場合は、まず派遣会社の担当者に相談しましょう。寮の部屋が汚いとか残業が多いとか、派遣会社から聞いていた話と違うという場合などは、相談すれば改善してもらえることもあります。改善してもらえない場合や、どうしても無理!という場合は、辞めたいということをきちんと伝えましょう。
辞める手順としては
- 派遣会社の担当者に伝える
- 派遣先の責任者(上司)に伝える
- 寮の掃除をして、あれば制服の返却も済ませて退寮する
このようになります。これが期間満了前に辞める場合の正しい手順です。
ポイントは、「辞めたい」ということは勤務先(派遣先)の責任者よりも先に派遣会社に伝えること。
契約しているのは派遣会社なので、退職という重大な話をする場合は派遣会社に先に話をするのが正しい流れになるのです。バックレはあくまで保険のようなもの。辞めたい旨を伝えても辞めさせてもらえない場合の最終手段程度に考えておいてくださいね。
辞めた後に行く場所を決めておく必要がある
期間満了前にリゾートバイトを辞めるのであれば、辞めた後に行く場所を決めておく必要があります。契約期間の満了まで働けていない場合、バックレでなくても交通費はもらえないケースもあるので収入が予定よりもかなり少なくなってしまうことも。
そんな事情もあり、期間満了で辞める場合よりもさらに、辞めた後に行く場所を決めておく必要性が高くなるのです。
では、どうすれば良いのかというと、派遣会社の担当者に辞めたい旨を伝える時に次のリゾバ先に相談しておきましょう。
辞める理由(現状のひどさ)を相談することで今働いているリゾバ先の状況が改善されるかもしれませんし、もし無理で辞めることになっても、正しい手順で辞めるのであれば次の仕事を紹介してもらえる可能性もあるからです。
この時、利用中の派遣会社と並行して別の派遣会社にも登録しておくとなお良いです。相談したからといって、利用中の派遣会社が条件に合ったリゾバ先をすぐに紹介してくれるとは限らないからです。
バックレとは無縁のいい求人を見つける方法

これまでバックレのデメリットや正しい手順で辞める方法などを紹介してきましたが、そもそもバックレを考えなくても済むような良い職場なら悩む必要もないのです。
ではバックレとは無縁の、良い求人を見つけるためにはどうしたらよいのでしょうか。
リゾバ先の職場や寮の詳細を確認
リゾートバイト先の男女スタッフの比率や実際の仕事の内容、寮のタイプや設備など、気になることは仕事を紹介された段階でしっかり確認しておきましょう。
特に自分が譲れないという部分については、細かく確認しておくことをおすすめします。
契約満了前にバイトを辞めた人がどのくらいかを確認
リゾバ先の詳細の確認はもちろん大切ですが、バックレの大きな理由のひとつが「理想と現実のギャップ」、つまり「実際働いてみたら聞いていた話と違う!」というケースです。
そんなブラックリゾバを避けるためには、契約期間の満了前に辞めてしまった人がどのくらいいるのか、を確認すると良いでしょう。
契約満了を待たずに辞めるということは、何かしらの不満があるケースが多いからです。
軽い気持ちで辞めてしまう人もいますが、途中で帰る人が多いリゾバ先は避けることをおすすめします。
ただし、バックレの話などを根掘り葉掘り聞こうとすると嫌な顔をされることも。そんな場合は、あまり深堀するのは止めておきましょう。
リゾバスタッフの期間満了・延長率を確認
「途中退職率が高い」とは逆に、スタッフの期間満了、延長率が高いリゾートバイト先はそれだけ居心地がいいということなので、ホワイトリゾバな可能性が高いです。
特に延長率の高いリゾバ先というのはスタッフが「もっと働きたい!」と思うような良い職場という証拠でもあるので、安心して働けると考えて良いでしょう。
まとめ|バックレは辞めれないときの最終手段
リゾートバイトでのバックレは可能ですが、部署の社員さんに迷惑をかけてしまうので、あくまで最終手段として考えておきましょう。
バックレる前に、派遣会社にまず相談!相談して無理そうなら、バックレも視野に入れてもいいかもしれません。