など、普通では体験できない特殊な職種なので、疑問に思うことがたくさんあると思います。
結論を言うと、マリンスタッフとは「マリンスポーツ全般に関する業務を行う人や、それをサポートする人」です。
今回はマリンスタッフ歴7年で、本業でダイビング業を経営している方にお話をお伺いしました。
この記事を読めば以下のことがわかります。
- マリンスタッフの仕事内容
- マリンスタッフが必要な資格
- マリンスタッフの求人の探し方
リゾートバイトのマリンスタッフとは?

海だけでなく、海の近くのホテルのプールなどで働く人もマリンスタッフと呼ばれます。主に水辺で働いていて、真っ黒に日焼けしている人です。
マリンスタッフの繁盛期は7月~9月ですが、ゴールデンウィーク前からリゾバの受け入れが始まります。
ゴールデンウィークが終わるとお客さんは一旦減りますが、夏に向けてどんどん増えてきます。5月~6月は空いている時間に器材のメンテナンスや、仕事内容の確認、資格の取得、周りの人たちとの交流、またはスキルアップという名の観光名所巡りなどを行い、夏に備えます。
そしてゲストが増えてくる7月、8月の夏休み、9月の大学生の団体とシルバーウィーク、そして10月11月に修学旅行生がくる時まで続きます。もちろん元々の契約でシーズン期間中に帰る人もいれば9月ごろにリゾバに来る人もいます。
マリンスタッフの代表的な勤務地といえば沖縄の海ですが、海に囲まれた日本ですので夏場のマリンスタッフの求人は日本全国にあります。ですが、求人数でいったら、圧倒的に沖縄のリゾバが1番多いです。
業種によっては通年ゲストがいますので特にシーズンに関係なく募集している業種もあります。12月~4月にはホエールウォッチングがベストシーズンです。
ホエールウォッチングは夏にボートに乗っているダイビング業者が開催することが多いのであまり求人は出回りません。通年マリンスタッフとして働きたい人は一度他の職種で働き、現地で紹介してもらうのがよいでしょう。
マリンスタッフの仕事内容と資格、免許
リゾートバイトのマリンスタッフと言っても、多くの職種があります。
代表的な職種は以下の通りです。
- パラソルや器材のレンタル、ツアーの受付
- アクアチューブの牽引(水上バイク)
- 遊泳区間、プールの監視、ライフガード
- ダイビング、シュノーケリングツアーガイド
- カヤック、カヌー、サップのツアーガイド
どの仕事も基本的な業務に、準備や清掃などの業務があります。
- アクティビティ器材の準備
- ゲストの送迎、受付、ツアーの説明
- ツアーガイドやアクティビティの補助
- 後片付け、施設や器材の清掃、洗浄、消毒作業
また、リゾートバイトのマリンスタッフは資格が必要な場合が多いので、誰でもすぐに働けるというものではありません。
資格の取得や研修などもあり、3か月以内の短期の募集はなく、ほとんどが6か月以上の契約となり応募するハードルはやや高めです。
パラソルや器材のレンタルやツアーの受付

- レンタル器材、ビーチパラソルの貸し出し
- パラソルの設置と回収
- 器材の補修
- ツアーの受付の時間の調整
日本の方から海外の方まで本当にいろんな人が来ます。仕事内容は難しくはありませんが、強い日差しの中、パラソルを担ぎビーチを何往復もしますので体力は必要です。
午前中の時間帯がビーチでのレンタルが一番多く、忙しいです。逆に、ほとんど貸し出したお昼過ぎからは、のんびりできます。
そして、夕方は返却された機材の洗浄消毒やパラソルの回収などがあります。
送迎や器材の運搬時に車両を使う場合「普通自動車免許」が必須なところもあります。
アクアチューブやウエイクボードなど

- 水上バイクの準備
- 水上バイクを水面への上げ下げ
- 水上バイクの操縦または補助など
水上バイクがあるだけで、バナナボートやビスケット、ウエイクボードやフライボードなど他にもいろいろなアクティビティを楽しむことができます。
ビーチにいる人から見えるところで開催しますので、一気に注目の的になり1人やり出すと続々と予約が入ってきます。余談ですが、まだ独り立ちしたばかりのスタッフがバナナボートで小さい子供を振り落としてしまい、後で注意されていました。
落ちた子がまだ小さく、その経験で海が嫌いになってしまうのは残念なことです。そういう心遣いも必要かもしれません。水上バイクの操縦スキルや経験が必要です。

水上バイクを操船するには「殊小型船舶免許」が必要です。
また、水上バイクの陸上での移動やを水上バイクを海に下ろしたり上げたりするのに、「普通自動車免許」が必要な場合もあります。
ビーチ監視、ライフガード

- 水中、ビーチ点検
- 監視用マリンジェットの準備
- 注意喚起
- 緊急時の対応・レスキュートレーニング
資格保持者や経験者は時給が高めな求人が多いです。太陽の下(監視台などにはほとんど日陰があり)でひたすら異常がないか監視しますので忍耐力と体力、救助や危険を回避するスキルが必要です。
また危険行為や禁止行為に注意喚起して逆ギレされることもしばしば…。難しい仕事のように感じますが未経験者は最初に連絡要員として働くことになるでしょう。
ビーチやプールの安全を守りとてもやりがいのある仕事です。レスキュートレーニングなどは自分自身の自信へつながります。
監視員またはライフガードとして働くには会社の規定に沿う監視または救助員の資格が必要になります。最初に資格や免許がなくても連絡要員として働きながら資格を取得を目指す場合が多いです。
監視業務に必要な免許、沖縄だと「ライフセービング協会」「日本赤十字」「OMSB」などの各団体の資格が1つ必要になります。
水上バイクが監視艇の場合「特殊小型船舶免許」、また水上バイクの陸上での牽引や海への上げ下ろしに「普通自動車免許」が必要な場合もあります。
カヌー、カヤック、サップなどのツアー

- ツアーを開催するポイントの確認
- 器材の準備
- 器材の使い方の説明
- 安全管理
- コースの説明とガイド・送迎
子供から、お年寄りまでいろいろな方がツアーへ参加します。その日そのゲストが1番楽しめそうなコース選びや、安全管理、事故が起きてしまった場合の対処法などを考えたり、風向きや潮流、波の立ちやすい場所の把握など、かなり本格的なスキルと経験が必要になります。また海のガイドや技術の説明だけでなく、その土地の話や動植物の話などができると喜ばれます。アシスタントで働いているうちにメインのガイドやインストラクターがどんなものをどんな風に説明しているのかなどをよく覚えているとガイドの幅が広がるでしょう。
カヌー、カヤック、サップを引率することに必ず必要な資格や免許はありません。
安全の守る目的や良い指導するために、各指導団体がインストラクターの資格や免許を発行、講習会などを開催しています。
各団体が開催するインストラクターコースや講習会では独学で学べない多くの知識やスキルが習得できます。安全で楽しいサービスを提供できるように資格や免許は取得した方がいいでしょう。
シュノーケリング、スクーバダイビング

- ツアーを開催するポイントの確認
- 器材の準備
- 器材の使い方の説明
- 安全管理
- コースの説明とガイド・送迎・ボートの操船
ツアー中は主にガイドのアシスタントの仕事になります。メインのガイドと一緒に安全管理したり、メインガイドの目の届きにくいところのゲストの様子を見たり、ツアー中に遅れているゲストの手助けをしたりなど。
体調の悪くなったゲストを引っ張って泳ぐこともありますので、普通以上の泳力が必要です。一定時間特定のゲストと濃い時間を共有しますので、終業後にご飯や飲みに連れて行ってくれるゲストの方もいらっしゃいます。
直接「楽しかった」や「ありがとう」を聞けますのでとてもやりがいがあります。リゾバスタッフがシュノーケルインストラクターを取得することはありますが、もしダイビングインストラクターの資格を目指すなら、リゾバではなくダイビングショップでインストラクターを目指すインストラクター候補生として働くことをお勧めします。
リゾバしながらでも経験本数は貯めれますが、インストラクター候補生として働く方が経験本数も貯めやすく専門知識やスキルも向上しやすいです。ただダイビングをたくさんしたいのであればリゾバでもいいと思います。
インストラクターとゲストの人数比には決まりがあります(1人のインストラクターにゲストは◯名までなど)。もしインストラクターとして数えられるなら各指導団体の「シュノーケルインストラクターの資格」が必要です。リゾバのアシスタントの場合、インストラクターの人数比には含まずにツアーに同行しインストラクターのアシスタントをすることが多いでしょう。
ダイビングのインストラクターやガイドには各指導団体の「インストラクター資格」と「潜水士免許」の2つの免許や資格が必要です。ダイビングインストラクターの資格にもスノーケリング同様インストラクターとゲストの人数比に決まりがあります。
- 送迎や器材の運搬に必要な「自動車免許」
- 水上バイクの操縦に必要な「特殊小型船舶免許」
- 船の操縦に必要な「小型船舶免許」
- 監視業務に必要な「監視、または救助員の資格や免許」
- ツアーガイドには資格は必要なし
- ダイビングには「各種目団体のインストラクター資格」「潜水士免許」
募集項目には免許や資格が必須など、何も書かれていない場合があります。
すでに資格や免許保持者でメインの人がいる場合、手元のアシスタントだけ募集しているということかもしれません。
聞いてみないとわからないので、必ず連絡し確認しましょう。またリゾバ中に免許や資格を取得する予定がある場合は先にそのことも伝えましょう。
もし余裕がありすぐ取れそうな免許や資格なら、リゾバが始まる前に資格や免許は取っていたほうがスムーズです。
ですが、資格や免許取得のお金は安くありません。また、水上バイクを扱うお店だから特殊小型船舶免許を取ってきたと言っても必ず水上バイクが運転できるとは限りません。リゾバで使うと思ってとった資格免許はリゾバを辞めてからは大体使いませんので、担当の人としっかりと確認しましょう。
例外ですが、働き出してからそのリゾバでしか使わなそうな免許や資格、講習会の受講料などは会社が何割か負担してくれることもあります。また来年のシーズンも来る契約で全額負担してくれることも。
どの仕事も最初はアシスタントから始まっていきます。毎年マリンスタッフ初心者は何名かおり、初めての人が働く流れが出来上がっていますので、安心して働くことができます。アシスタントのうちにしっかり経験を積むことが大事です。
マリンスタッフのデメリット

マリンスタッフは毎日が楽しいですが、デメリットの部分も多いです。
マリンスタッフのデメリット
- 貯金がしにくい
- 日焼けする
- 契約期間が長い(半年以上が多い)
やはり時給が900円~1000円ということもあり、稼げるお仕事ではありません。日焼けもしますし、体力が求められる部分も多いです。
契約期間も半年以上が多いので、学生の方や短期で働きたい人は働くことはできません。
とは言っても、マリンスタッフは貴重な体験ができ、一生の思い出になるのは間違いありません。
私は、マリンスタッフとして働いているときは、本当に楽しかったです!
朝起きて誰もいないビーチでコーヒータイムやビーチヨガをしたり、綺麗なビーチを見ながら仕事して、みんなで走って夕日を見に行ったり、星が綺麗な日にはビーチに寝転んで流れ星探したり、台風の時はみんなで朝まで飲んだりゲームしたり、とにかく充実していました。
人生の一夏くらい、マリンスタッフとしてリゾートに住んでみるのも悪くないですよ。
勤務時間や休日
民宿やホテルのリゾバと違い昼間働いて夜は自由な時間が多いです。休みは大体週1日(2日休みはなかなかない)で、天候不良などでゲストが少なそうな日は突然休みになることも。台風の接近時は自動的に休みになります。台風対策や対策解除のちょっと特殊な仕事と南国の台風の凄さも経験できるでしょう。
また系列に居酒屋や、夜までやっている海の家などがある場合、午前中に器材の貸し出しや受付などを行い、午後から休みで、夜は居酒屋などで働くということもあるかもしれません。