リゾートバイトとは、全国の旅館やホテルで住み込みで働くことで短期間で貯金ができる人気の働き方です。
寮費や食費、交通費が無料で稼いだ額のほとんどを貯金に回すことができるのは大きなメリットです。
しかし、リゾートバイトにもデメリットが存在し、「リゾートバイトはやめとけ!」なんて意見もあるのが事実です。
デメリットはありますが、そんなリゾートバイトでも5年間もやり続けられたのは、メリットのほうが大きく上回っているからだと思います。
今回は、以下の内容のデメリットと解決方法を紹介していきます。
- 賄い(食事)がひどすぎる
- 寮の環境が悪い
- 人間関係が最悪
- 思ったより稼げない
- 繁忙期がきつい、休みがもらえない、残業が多すぎる
- 寮の周りに何もなく不便
他にも、ブラックなリゾートバイトというものが存在します。
私も実際に、そのような職場で働いた経験がありますので、体験談と避ける方法もお話しします。
リゾートバイトはやめとけ!と言われる6つの理由
繁忙期がきつい!忙しい!

長野県のスキー場のレンタルで、主に受付から用具の貸出・返却、メンテナンスの仕事をしました。
勤務は12月中旬からスタート。勤務開始1週間程はまだそんなに忙しさはなく、スタッフの顔合わせや研修をしつつの勤務でした。
がしかし、冬休みに入るとすぐにお客様の数は激増。チケットセンター、レンタル、レストラン、リフトとすべてにおいて大行列が発生です。私が勤務したスキー場は、高速道路からも比較的アクセスがし易く、雪質も良い為、ツアーバスやファミリーのお客様がとても多く、ひどい時は一番下の初心者ゲレンデはびっしりと人で埋め尽くされ、初心者ゲレンデなのに避けられるの⁉と心配になるくらい。
私がいたレンタルは、シーズンも始まったばかりでスタッフの大半がまだ不慣れな時期。オペレーションもうまく回らず、まさにてんてこ舞い状態。混んでいる時では、受付に1時間待たせてしまう時もありました。お客様の中には長時間移動を経て来られる方も多く、どこに行っても待ち時間が長いこともあってかイライラして、スタッフに横暴な態度をされる方も多く、精神的にきつく感じることも多々ありました。
勤務は朝の貸出しから返却、片付けまで、繁忙期はひたすら動き続けます。朝の貸出しラッシュが終わり一息ついたのも束の間、お昼休憩後からは返却ラッシュが間髪入れずスタートします。気づけば返却を待つお客様の大行列。スタッフ総出で返却対応にあたります。スキーもスノーボードも決して軽くはなく、なかなかの重さなので女子には地味に大変でした。とはいえ、仕事の選り好みはしてられないので手を止めることなく動き続け、私はあまりの忙しさに1週間で3キロ体重が減りました。
休みがもらえない、残業が多すぎる
私は「旅館の仲居」のリゾートバイトで8月の繁忙期に一ヵ月だけ働いてました。
仲居の仕事は中抜けがあり、以下のような一日のスケジュールでした。
6:00 | 朝食の準備、片付け |
---|---|
8:00 | お客様のお見送り、お部屋の片付け |
11:00 | 中抜け |
14:00 | 夕食の準備、到着したお客様の案内 |
17:00 | 夕食の接待、片付け |
21:00 | 退勤 |
1日の労働時間は12時間でした。中抜けは3時間ありますが、昼食を食べて1時間昼寝といった感じで、観光など行ける余裕は一切ありませんでした。
派遣会社との面談の際に「とにかく稼ぎたいので残業が多い場所が希望です!」と伝えていたのですが、こんなに忙しくなるとは思いませんでした。
8月の繁忙期で、最高で22日連続勤務をしました。1か月で休みは2日しかありませんでした。
旅館にもよりますが基本的に繁忙期は、休みを申請しても人手が足りないため、休みをもらうことができません。
ですが、時給1200円で12時間働いているので、1日に1万5000円稼げ、1か月の給料は32万円でした。
休みが勤務日になる上司との会話
激務の中、鼓舞する上司
このように社員の方にコントロールされ、私たちは毎日12時間勤務の20連勤などの勤務をしてしまうのです。
もちろん、人が足りないときに働くと、「社員さんに気に入られる、残業代が多くて稼げる」などのメリットもあります。
私の意見としては、激務の代わりに、短期間でお金を稼げるので、長時間労働や連勤はおすすめです。やはり皆さん、短期間で多くの金額を稼ごうと思っていますので。
8月1日から開始して26日頃に直属の上司に「休みはもらえないんですか」と聞くと「休みたいと言わなかったから休みはいらないんだと思っていた」と言われた。ブラック極まりないリゾートバイト。
— 最終皇帝 (@saiseisu_tsukan) April 8, 2022
ワイ、ブラックなリゾートバイトで37連勤したとき半日休み1日もらって「ありがとう御座います」っていったもんな。あれはキレてよかったやつなのに、どうかしてた。そんな感じじゃないといいな、その方の奥様は。
— こはく (@ahiru589) February 20, 2021
20連勤などになる場合は、月間シフトでは週に6勤務1休みのような感じで組まれていますが、人が足りなくて休みが勤務に変更されます。3回連続でこれをされた結果20連勤というものが出来上がってしまいます。
こうなると、休みがなく長時間働くスタッフは体調を崩したり、バックレたり、ますます1人当たりの仕事量が増えていきます。
その評判は派遣会社に伝えられ、途中退職が多く満了率が低い派遣先として、ますます人が足りなくなるスパイラルです。
人が足りなくなったらどうするか?他の部署から人を呼んで、一時的に助けてもらいます。
人間関係が最悪
リゾートバイトでは、他のスタッフと住み込みで働くことになるので、人間関係が悪いと非常につらい思いをすることになります。
特に、上司の社員さんと仲が悪かったり、相部屋の同居人と仲が悪くなると、リゾートバイトで楽しく過ごす事はできません。
また、現地のスタッフは癖のある方が多く、新入りスタッフとは挨拶すら返さないといった困った方もいます。
全員が人間関係がいいところで働きたいと思っているものの、人間関係は完全なガチャ要素なので、派遣会社に聞いてもどうしようもありません。
他にも、同じくリゾートバイトで働きに来たスタッフとも問題が起きることも多いです。基本的には面接なしで働きに来ているため、難ありスタッフを避けることはできないのです。
確実に人間関係がいい職場とはなりませんのでご注意ください。
派遣会社の求人に「職場環境◎」や「満了率が高い」との記載がある職場は、今まで働いたスタッフからの評判から判断しているので、人間関係が良好である可能性が高いです。
求人情報誌などは「アットホームで働きやすい」などのフレーズを求人元が設定していますが、派遣会社の場合は、派遣会社が独自にタイトルなどを設定しています。
なので、このようなプラスの内容は信用しても大丈夫です。

食事(賄い)がひどすぎる
リゾートバイトでは、賄いが楽しみという方もいるでしょう。
しかし、職場によってはひどすぎる食事内容ということもあります。
実際にあった、ひどい賄い3パターンを紹介します。
- 油っこいものメインのお弁当
- 食事無料で実はコンビニ弁当
- 冷凍食品の寄せ集め弁当
油っこいものがメインのお弁当

愛知県の旅館で働いていた時の旅館の賄いが、ひどすぎる内容でした。
- 基本的に揚げ物ばかりしか入っていない
- 肉、炭水化物が多く、野菜やほとんどなし
私は、旅館ならではの「おいしい賄い」を期待していたのですが、実際は、今まで食べたことがないような「まずさ」「栄養価のなさ」を併せ持った賄いでした。
こんなものは、旅館で当然出されないほどのクオリティですし、おそらく従業員用の安い冷凍食品のかき集めといったところでしょう。
たまたま、その日に悪い賄いが出たわけではありません。いつも、同じような内容の賄いが出されるのです。

また、三重県の他の旅館で働いたときは、「昼食無料」と書いてあったのに、内容はコンビニ弁当と菓子パン一つでした。
食事無料で内容がコンビニ弁当

賄い1食無料と書いてあったのに、実際はコンビニ弁当だったこともあります。
働きだした当初は、なにも違和感がなくコンビニ弁当を食べていたのですが、見てわかる通り、野菜はほとんどなく、肉と炭水化物だらけの栄養が偏っています。
しかも、ほとんど「ミックスグリル弁当」か「のり弁当」がメインだったので、当然飽きも感じてきます。菓子パンに至っては毎回アンパンだったので、さすがに他のものに変えてほしかったです。
冷凍食品の寄せ集めのお弁当

新潟のホテルのスキー場で働いたときは、賄いとしてお弁当が支給されていました。味は悪くなかったのですが、ホテルの朝食で使われている冷凍食品がメインのお弁当でした。
これも、また内容は毎日ほとんど同じ感じで、肉と米が大部分を占め、野菜は一口分の量しかありません。
こちらは毎食このようなお弁当だったので、さすがに体調を崩し、だるさを感じながら働いていました。
賄いの内容は、2パターンあります。
- 従業員食堂
- 独自の賄い
従業員食堂がある職場は「はずれ」を引かない可能性が高いので、基本的には従業員食堂が完備されている職場を選ぶのがおすすめです。
従業員食堂の料理は栄養バランスを考えられており、日替わりのメニューや自分が食べたいものを選べるといったビッフェスタイルの場所がほとんどです。失敗することはほとんどありません。

上記は沖縄のフサキリゾートの従業員食堂のソーキそばです。日替わりで親子丼やカレーなどメニューが変わっていき、毎日が楽しみでした。
一方、独自の賄いでも、ちゃんとした調理を提供してくれるところもありますので、事前に派遣会社に内容を聞いておきましょう。

こちらはクラブメッドトマムというリゾートホテルでの賄いです。豪華すぎますね!
イタリアンのシェフがプロの料理を作ってくれるので、賄いといえど一流ホテルの料理と遜色はありません。
寮の環境が悪い
リゾートバイトは寮費、光熱費が無料となるのがメリットですが、寮が汚い、狭い、虫が多かった、など、寮の環境が悪い場合があります。
また、2人部屋や4人部屋で、合わない人と一緒の部屋になってしまうと、かなりきつい思いをすることになります。
3角形の汚く、狭い部屋

熱海の旅館で働いていた時の寮は以下のような特徴でした。
- 三角ビルの部屋の6畳
- 相部屋
- トイレ、洗面所、キッチン共有
- Wi-Fi環境なし
障子は破れたままになっており、2人の相部屋で6畳しかないというのが厳しかったです。
しかも、部屋が3角の形になっており布団も十分に敷くスペースはありませんでした。

こちらは、カップルの方が相部屋で寝ている様子ですが、体を十分に伸ばして寝ることはできておりません。1回にお風呂もあるのですが、こちらも狭く3角形なので、まともに湯船につかることはできませんでした。

旅館の温泉はスタッフの利用はできなかったので、狭く汚いですが、こちらのシャワーを利用していました。
仕事から帰ってきても、疲れが取れなかったのを覚えています。
寮の写真は派遣会社の求人に掲載されています。なので、働いてみて寮がはずれだったということはありません。
環境が悪い寮で働く人は以下のどちらかです。
- 時給や職種、期間を重視して寮は妥協
- 初心者で派遣会社から寮の写真をもらえるのを知らない
例① 新築の洋室の寮

例② 年季の入った和室の寮

このように派遣会社のサイトで寮の写真が事前に見ることができます。実際の写真と寮が違った場合は、部屋を変えてもらったり、辞めさせてもらえるので安心して参加できます。
思ったより稼げない

ネットには「リゾートバイトで月に30万稼げる!月に20万程度貯金ができる!」という情報が飛び交っていますが、実際に月に30万を稼げるの人は稀で、平均的に18万~20万円が現実的な給料です。

社会保険の加入や所得税などで、給料から3万円程度引かれるので、手取りは大体15万~18万程度になります。
逆に、全然稼げなかったということもありました。

この月は、「緊急事態宣言」の影響を受けてしまい、基本給が99.545円でした。もちろん、派遣会社から休業手当がもらえますが、休業になった給料×0.6倍なので、4万円程度を90日後くらいに支給して頂くことができました。
特に、コロナ化では、休業などでシフトの影響を受けやすく、安定して稼働できる求人を派遣会社に探してもらうことも大切です。
寮の周りに何もなくて不便

リゾート地なので、周りには店やコンビニ等はありません。寮は職場の近くにあるので、
- 最寄り駅まで歩いて2時間
- スーパーまで40分、コンビニまで歩いて30分
というのは、当たり前のようにあります。

観光や買い物に行こうとも、まず最寄り駅までどうやって行くかを考える必要があり、毎度職場の方の車に乗せてもらったり、送迎バスに乗せてもらい駅やコンビニに行く必要があります。
送迎用バスは、予約制になっている場合が多く、他のお客さんと同乗することになるので、面倒に感じることが多かったです。
ブラックなリゾバは実際にある!確実に回避する方法とは
リゾートバイトのブラック求人というのは、残念ながら存在します。
その内容のほとんどが「残業代の未払い」で、ひどい場合には「給料の未払い」なんて事もあります。
14時から勤務でも1時間前には出勤しないとお客様をお迎えする準備に間に合わず、その超過時間分のお給料はもらえませんでした。
良い社会経験にはなりましたが、リゾートバイトという近代的働き方な割に古い考えを持って働かれている従業員ばかりなので、疑問に思うことも多々ありました。
勤務終了時間になったらタイムカードを切って、そこから残業をするというルールがありました。もちろん、残業代は発生せず。
ホテルのマネージャーの人に伝えると「残業は遅くしようとしたら、いくらでも遅くできるよね?」言われました。
私は納得がいかず退職し、満了の交通費支給は当然ありませんでした。
参考:連合総研「第38回『勤労者の仕事と暮らしに関するアンケート(勤労者短観)』調査結果」
ですが、ブラックな求人を避ける方法があります。
それは、直接雇用ではなくリゾートバイト派遣会社を利用して働くというものです。
派遣スタッフとして働くと、雇用契約が派遣会社となるので、ブラックな職場に当たってしまった場合は即座に派遣会社が対応してくれます。
よりブラックな求人を避けるには、とにかく派遣実績が多い派遣会社を選ぶのが大事です。
リゾートバイト専門の派遣会社は20社程度ありますが、利用者が多い派遣会社は大手4社です。
この4社以外の派遣会社を選んでしまうと、派遣実績が少ないので、ブラックな求人に当たってしまう可能性があります。
もちろん、対処はしてもらえますが、やり取り等は煩わしいです。初めから大手派遣会社に絞って派遣会社は使うのが賢い選択です。
派遣会社の特徴やおすすめはこちらのページにまとめています→リゾートバイト派遣会社おすすめランキング【2022】
どうしても仕事を辞めたくなったら
遠慮なく派遣会社に「辞めたい」という事を伝えましょう。
辞められることは派遣会社にとっても好ましくないことですが、リゾートバイトは期間を満了せずに辞める方は15%程度いるので、派遣会社は対応に慣れています。
派遣会社のスタッフは、「そうですか…わかりました!」と対応してくれるのですが、現地の上司の社員さんやマネージャーに伝えると説得されたり、怒られることが多いです。
職場では1人スタッフが途中退職されると、1人分の仕事をどこで補うかの問題があります。また、1人の欠員を補う新しいスタッフがいつ来るかはわかりません。
私の経験上、途中退職率が高い職場は何か問題を抱えている場合が多いので、毅然として辞めて大丈夫です。
私も実際に辞めてしまったことがあります。
ボーリング場の受付で働いていたのですが人間関係が良く、仕事も簡単、館内寮で勤務先まで3分という好条件でした。
しかし、受付は2人しかスタッフがいなく、もう一人は私よりも10歳年上の方でした。仕事をほとんどしないため私の仕事量は多く、さらには無断欠席、遅刻が多く、たまに職場の倉庫からお酒を持っていってしまう困った人で、私は次第にこの環境に耐えられなくなり、退職を申し出ました。
同じくリゾートバイトで働きに来ているのに、年齢が離れていると、まるで上司と部下みたいな関係になることもあると実感しました。
もちろん、今まで働いたぶんの給料は頂けますが、交通費の支給がありません。
下調べは十分にしていたのですが、人間関係はどうしても深く知ることはできず、結果的に辞めるという事になってしまいました。
ちなみにバックレは絶対に辞めておきましょう。
バックレをしてしまうと、職場の方に迷惑が掛かりますし、今回利用した派遣会社はもう二度と使えなくなります。
事前に調べていても、働いてみると辞めたくなる事も多いので、2週間から1か月などの短期募集に応募するといいでしょう。
気に入った場合は延長できる場合が多く、嫌だったら辞めたらいいのです。