ホテルアルティア鳥羽のフロントで働いていた時の体験談をご紹介します。
アルティア鳥羽は、伊勢志摩にある落ち着いた地中海風のホテルです。私はここで4カ月ほど働いていました。
以下でアルティア鳥羽のフロントで働いていた時の1日のスケジュールや仕事内容、フロントはきついかどうかなどについて説明していきます。
接客の花形ともいわれるホテルのフロント。実際はどのようなことをしているのでしょうか。これを読めばフロントの仕事のイメージがつくようになります。
フロントの仕事内容と1日のスケジュール
9:00~12:00
- チェックアウト手続き
- お客様のお見送り
この時間帯の仕事は、チェックアウト時の清算業務(宿泊料金のお支払い)とお客様のお見送りです。
清算業務は、ミスなくスピーディーにこなすことが求められます。基本ゆっくりと仕事ができるフロントですが、チェックイン・アウトの時間帯はかなりの忙しさです。私はこの清算業務が苦手で、お客様が並んで来たらいつも「早くしないと」と焦っていました。
清算業務の人手が足りている時は、お客様のお見送りをします。この仕事は簡単で、正面玄関の前に立って「ありがとうございます。」や「いってらっしゃいませ。」などと声かけをするくらいです。たまに記念写真を頼まれることもあります。
チェックアウト最終時刻の11時を過ぎても部屋から出てこられないお客様が意外と多く、12時近くまで清算の締め作業をできないことがよくありました。
12:00~14:30
- 部屋チェック
全てのお客様のチェックアウトの時間が終わったら、とりあえずひと段落です。ここからはチェックインの時間帯までわりと自分のペースで仕事ができます。また、1時間の休憩はこの時間帯にまわってくることが多かったです。
この時間帯のメインの仕事は客室のチェックです。客室の掃除やセッティングは清掃の方たちがしてくれているのですが、ミスがないか最終確認するのはフロントの仕事でした。
その日に使われる全ての客室を一つひとつまわって、歯ブラシなどの備品が人数分揃っているか、汚れている箇所はないかなど最終チェックをしていきます。
一見簡単そうですが、チェック項目はかなり多かったです。部屋に不備があるとお客様のクレームにもつながるのでとにかくミスがないように念入りにチェックします。
フロントのメンバー2、3人くらいで手分けしてまわっていましたが、アルティア鳥羽は客室数が多いので全ての部屋をチェックするのに大体2時間くらいはかかりました。
14:30~18:00
- 車の誘導
- 館内案内
チェックインは15時以降なのですが、それより前に来られる方もよくいるので、30分前の14時半くらいからはフロントで待機していました。
その日の宿泊客の数にも左右されますが、チェックインの時間帯はかなり忙しくなります。ピークは15時から17時くらいまででしょうか。これはどこのホテルでもだいたい同じだと思います。
チェックインの手続きは複雑で、さらにアレルギーの確認など責任を伴うものでもあることから、必ず社員が行うようになっていました。ただし、ホテルによっては派遣もチェックイン業務を行う場合があるようです。
アルティア鳥羽では、派遣の人は、館内案内や車の誘導といった周辺業務を任されていました。他に、入口で検温・消毒を行ったり、荷物の運び入れをしたりといったことも行います。やることが多いので、社員と派遣で分担して臨機応変に、という感じです。
18:00~21:00
- 売店対応
- 清掃
18時を過ぎると、チェックインが落ち着いてくるので、売店業務がメインになってきます。
アルティア鳥羽はフロントと売店が繋がっているので、売店もフロントが担当していました。売店業務は、だいたい派遣が一人で行います。
レジ対応が売店の主な仕事です。会計時の支払方法の種類が、クレジットカードや電子マネー、商品券、部屋づけなど何種類もあることが少し難しく感じた点です。
他には、冷蔵庫のドリンクを補充したり、商品を綺麗に並べたりといったこともします。普通のお土産屋さんで働く感じをイメージしてもらったら分かりやすいと思います。
この時間帯はぶっちゃけめちゃくちゃ暇だし楽でした。お客様も少ない時は1時間に1組も来られなかったりするので、やることがほとんどありません。
ただし何もしていないと社員さんに注意されるので、売店の清掃などしてとにかく手は動かすようにはしてました。
以上がアルティア鳥羽のの仕事内容と1日の流れです。もちろんホテルによってどこまでをフロントが担当するかは若干異なると思います。
リゾートバイトのフロントはきつい?
フロントの仕事がきついかどうかについてですが、結論、暇な時間が多いため楽ではあります。しかし、覚えることが多いため、仕事に慣れるまでは大変だと思います。
フロントは、基本のんびり仕事ができます。チェックインやチェックアウトの時間はたしかに混み合いますが、それでも飲食店で働いていた時ほどの忙しさではありませんでした。
しかし、覚えることはめちゃくちゃ多いです。なぜならフロントは業務内容が多岐に渡るからです。
上記の仕事内容で説明したのはあくまで主な業務で、フロントには他にも様々な雑務があります。例えば、アルティア鳥羽ではアレルギーチェック表の作成やウェルカムドリンク作り、お土産のセット、といった雑務がありました。フロントの仕事を細かく説明していったら多すぎてキリがないくらいです。
また、フロントという仕事柄、お客様から様々な質問をされるので、館内情報はきちんと覚えておかないといけません。レストランやお風呂の営業時間、トイレや喫煙所の場所など基本的なことはもちろん、例えば「レストランのドリンク料金はプランに含まれるのか?」といった細かいことまで聞かれます。
また、「ここから見えるあの島の名前ってなに?」「一番近くのコンビニまで車でどのくらいかかる?」といった一見ホテルとは関係ないイレギュラーなことを聞かれることもしばしば、、。
フロントはホテルのインフォメーションセンターとしての機能もあり、お客様はなにか知りたいことがあれば、とりあえずなんでもフロントへ聞きます。そのため、バイトであってもよく聞かれることは頭に入れておかないといけません。
加えてきつかったポイントをもう一つ挙げるならば、研修制度が整っていなかったことです。社員さんによっては、ざーっと説明して「じゃあ次から一人でもできるよね?」といった感じで、最初は正直困惑しました。
フロントは仕事の性質上、派遣の割合が少ないため、新人の受け入れ態勢が整っていないことが多いのかもしれません。スキー場など毎年のように派遣を大量募集しているところは派遣慣れしていて、研修マニュアルもしっかりしている印象があります。しかし、もちろん丁寧に研修してくれるホテルもたくさんあると思いますよ。
まとめるとフロントの仕事は、チェックイン・アウトの時間帯以外はわりとのんびりできますが、覚えることが多いため慣れるまでが大変だと思います。
アルティア鳥羽はフロントに椅子がなかったので休憩以外はずっと立ちっぱなしでした。でも、私は立ち仕事に慣れていることもあり特にきついとは思わなかったです。
(女性はヒールの高い靴を履くと疲れやすいのでやめた方がいいかもしれません。私は高さのない靴に変えてから楽になりました!)
フロントでは英語を話せないといけない?
フロントは英語力はあるに越したことはないですが、なくても特に問題ありません。
私も働く前はフロントは英語が必要だというイメージがありましたが、結局、一回も英語が必要な場面に遭遇しませんでした。
派遣も社員さんも英語が話せない人がほとんどでした。基本的にはフロントに英語力は必須ではないと思います。
しかし、こればかりはホテルにもよるかと思うので一概には言えません。例えば、外国人のお客様が多く来られるホテルや一流ホテルで働くのであれば、ある程度の英語力は求められるでしょう。
アルティア鳥羽の寮
私が住み込みで働いていたアルティア鳥羽の寮は、1Rの個室寮でした。
良かったところとしては、アパートの一室なので、お風呂やトイレ、洗濯機、冷蔵庫、キッチンまで部屋に付いていたことが挙げられます。特にキッチンがあると自炊で休日の食費を安く抑えられるので有難いですよね。
また、アルティア鳥羽の寮は、リゾバでは珍しく、友人・カップルの同室も可能なところもポイントです。実際に、カップルで同じ部屋に住んでいる派遣の人もいました。タイミングが良ければ、友人・カップルには2DKの寮を用意してくれることもあるようです。
不満だったことは、正直、綺麗な部屋というわけではなかったことです。特に床のカーペットに落ちている髪の毛やゴミが目立ちました。せめて掃除機の貸し出しくらいあれば良かったなと思います。しかし、短い期間だったのでなんとか我慢できました。
アルティア鳥羽の食事
出勤日はお昼と夜の2食分のお弁当が支給されます。
休憩室前にお弁当屋さん(本家かまどや)のチラシが貼ってあり、2、3日くらい前までに、食べたいお弁当と自分の名前を書いて注文していました。
仕事終わりは疲れ過ぎて家に帰ってから自炊する気にならないので、夜のお弁当まで貰えるのは本当にありがたかったです。
また、幕の内弁当からカレーや丼ものまで、毎日30種類くらいから選べるので、同じものばかり食べて飽きるということもありませんでした。
フロントの稼げる額
勤務日は2食分のお弁当が支給され、寮費や水道光熱費も無料なので、お金を貯めるのには良い環境だったと思います。
私の時は、時給1150円で、1日8時間以上の勤務、1カ月の休みは8日程度でした。
一例として12月の給料を挙げると、所得税を引かれた後の手取りは19万円程度でした。
以下に12月の給料明細を載せておきます。
(ちなみに、「その他控除」で5万円引かれているのは、5万円分前払い制度を使ったためです。)