2022年大学院2年の冬、修士論文の口頭試問が終わった頃から、修了式までの1ヶ月間に、私はリゾートアルバイトをしていました。
リゾバを始めたきっかけは色々あります。私は元々旅行が好きで、コロナの流行が原因で旅行など自粛しなければならない状況になり、せっかく日本に来たのに旅行もできないまま大学院時代が終わるなんて考えたら、すごくモヤモヤしたり、つまらないなーと感じることが多くなってしまい、どこか非日常な所へ行って気分転換したいなーという思いが益々強くなっていました。
4月から日本での就職が決まったことで、修論提出から4月までの時間は一ヶ月以上も空いてしまい、この時間を自分の好きなことをして有意義に過ごしたいという気持ちもありながら、一ヶ月以上もずっと好きな旅をするには大金がかかるし、当時まだ留学生の私にはそんな贅沢なお金はもちろんなかったので、とても悩んでいました。
そんな悩みを友達に相談してみたら、「日本には外国人もできるリゾートアルバイトっていうのがあるよ!旅もできるし、お金も稼げる!」と友達が紹介してくれました。「何?リゾートアルバイト!?」私はその斬新な言葉に惹かれ、ネットで色々調べていくうちに、益々リゾートアルバイトがまさか自分の需要に満たしていると感じて、特にスキーリゾートでのアルバイトに魅力を感じました。
なぜなら、南中国出身の私は、雪を見たことがあんまりなく、スキーも触れたことすらなかったので、スキーリゾートバイトでこの両者を一気に長時間で安く体験することができると考えたら、これよりお得で楽しいことはないと思いましたので、そこから新世界の扉が開いたみたいで、リゾバを決意しました。
リゾートバイトの仕事内容

私が働いていたのは新潟県にあるエンゼルグランディア越後中里というホテルでした。具体的にはホテル内のレストランでホールの仕事をしていました。ホールの仕事では、主に会場の準備、お客様を席にご案内、料理の注文、お皿下げ・補充、ドリング出し、ホールの清掃などがあります。勤務時間に関しては、朝6:00~10:30、昼11:00~14:00、夜17:00~22:00の3つのシフトの中から、週五日間の毎日に2つを組み合わせて働く感じでした。
仕事内容自体はすごくきつい仕事ではなかったが、はやり立ち仕事ですので、ずっと立ちながら仕事していくにはとても体力が必要で、足も疲れやすかったです。そのため、リゾバの一か月間は本当に不眠症の悩みが全くなく、毎日が疲れでお布団についた瞬間で寝てしまいました。また、早朝のシフトが入っていたことが多く、偶にオープンが早まる時には5時半で職場につかないといけなかったので、その時は前日の21時前で寝たりして、本当に早起きを頑張っていました。
リゾートバイトの食事について
当時働いていたホテルにはレストランが、朝と夜にやっているバイキングとお昼と夜にやっている注文式の和食レストランの2種類がありました。

バイキングで働いていたら、仕事終了後に、そのままホールに居残って、お客様の待遇と同じようなバイキングを私達スタッフも食べることができます。まぐろ漬け丼だったり、あさりの酒蒸しだったり、新鮮なフルーツなど、普段気軽に食べないものもバイキングで食べ放題することができます。しかも、無料で。
バイキングで働いてなくでも、ホテルのすぐ近くに社員食堂がありますので、一食100円もかからない料金で、ちゃんとした出来立ての日本式家庭料理を食べることができます。メニューが毎日異なって、メイン料理には唐揚げ丼や、ヒレカツ丼、温玉牛丼、オムライスなど色々ありまして、副菜も毎日重複なく種類がたくさんでして、本当に毎回感動するくらいとても温かくて美味しかったです。

日本料理の種類が少ないって思っていましたが、社員食堂で食べた一ヶ月を経験して初めて、日本家庭料理の美味しさと種類の豊富さ、と心を込めて丁寧に料理を作ってくれた方の優しさを感じることができて、日本料理に対する認識が刷新されました。
リゾートバイトの寮について

リゾバ当時の寮は、ホテル内の部屋でした。3人一部屋とは言え、15畳の部屋にキッチン付き、バスルーム付き、トイレ付き、しかもテレビや冷蔵庫、加湿器なども付いていまして、とても居心地良かったです。敷布団の上で、同性の仲間たちと3人並んで一緒に寝ていましたので、まるで日本の修学旅行を味わった気分でした。

3人一部屋でしたので、それぞれのシフトが違ったりして、休憩時間もバラバラになることで不慣れなところもありましたが、その都度みんながお互いに気を使いながら、休憩の邪魔をしないように声を小さくしたり、部屋の外で活動したりしていたので、3人一部屋でも特に不便を感じることはなかったです。逆に3人(私のほか、日本人1人、ベトナム人1人)とも休みの夜に、一緒に部屋でカラオケをしたこともあって、とても楽しかったです。

また、ホテル内の部屋だけでなく、温泉や、ジム、プールなどもスタッフであれば無料で使えます。私は毎日温泉に入っていました。大好きな露天風呂もありましたので、いつも身体をホカホカの温泉に浸って、外の雪景色を眺めながら、冷たい澄んだ空気を吸ってリラックスして、至福の時間を享受していました。また、ジムにあるマッサージチェアも私の愛用の設備でして、仕事終わりにほぼ毎日使っていました。仕事の疲れはあそこで一気に吹っ飛ばされることができて、それで毎日疲れたとしてもすぐに回復して頑張れるようになっていました。

リゾートバイトで稼げた額

リゾバの1ヶ月間で、私は社会人1ヶ月目と同じくらいのお金を稼ぐことができました。
当時リゾバの具体的な時給は覚えていないのですが、確かに1150円くらいで、私が以前バイトしていたコンビニの時給より高かったです。また、給料の中から直接に食費・宿泊費が引かれましたので、実際にもらったお金はすでにその一か月間の基本生活費が差し引かれた額でした。それでも、社会人一ヶ月目と近い額がもらえて、とても嬉しかったです。
週28時間以内しか働けない留学生にしては、アルバイト収入にどうしても法律上で上限が設けられていますが、リゾバではその上限額を簡単に稼ぐことができますので、時間に余裕があって、かつ、たくさん稼ぎたい留学生にしては、リゾバが絶対に唯一無二の良い選択肢だと思います。
リゾートバイトでスノボー初心者から卒業

私が選んで働いていたホテルは、スキーリゾートにありまして、スキー場と直結しているのみならず、ホテルスタッフであれば、近くの各大スキー場を一日300円の料金で自由に利用することもできます。元々アウトドア系の運動が好きな私は、以前スキーやスノーボードを全然やったことがなくて、試してみたいという気持ちが強かったですが、スキー場への物理的な距離とか、行くタイミングとか、何よりスキーコストが高いことで、なかなか気軽に始まることができなかったです。
しかし、スキーリゾートでバイトをすると、自分でなんとかスノボーの装備だけ揃えれば、スタッフの割引料金を利用して、いつでも気軽に近くにあるスキー場に行って練習することができるようになりますので、スノボーを始めたい私は迷いなく、スキーリゾートバイトを選びました。

実際、シフト制の勤務時間のおかげで、週に丸二日間休めるだけでなく、仕事の日にも、午後は必ず2~3時間休めますので、スノボーやスキーに行ける時間はたっぷりでした。私は中古のスノボーの板やマイウェア、ブーツを買いましたので、時間がある時はちょいちょい近くのスキー場に行っていました。
最初は午後の休憩時間に、ホテル直通のスキー場で、YouTubeのスノボー動画を見ながら、試し練習をやってみましたが、1日目はこける時に手が先に地面に付いてしまったので、腕がやられました。一日休んで、2回目のスノボー練習しに行った時に、手ではなく、今度はお尻がやられまして、しかも尾骨でした。座るたびに痛みが伴ってくるので、そのから数日間スノボーを休んでいました。3回目再度勇気を出してスノボーの練習しに行ったら、結構調子が良くて、バランスも取れるようになり、自由に止まることもできるようになりましたが、調子が乗りすぎて頭がやられました。

こんな不順な始まりがあって、普通ならとっくに「私、この運動に向いてない、諦める」って思ってしまうでしょう。しかし、私はそのあとも何回かスノボーしに行ったことがあって、益々ハマるようになりました。
なぜなら、スキー場が近くにあったから!一か月間のリゾバ終了後に、私はもう中級者コースに行けるようになって、初心者コースでエッジ替えしながら滑れるようになりまして、今の私はもはやスノボーマニアになってしまいました。
「初め頃にスノボー諦めてなくて良かった!スノボー上達できて楽しい!」って今でも、スキーリゾートで一か月間のバイトをして良かったと思います。
真っ白な雪山に花火を見上げる

バイト期間中に、あちこち雪だったし、交通が不便で近くの観光地には行かなかったのですが、つくばにいた友達がわざわざ会いに来てくれて、冬花火も一緒に直結の中里スノーウッドスキー場で見上げることができました。その日は早朝出勤していましたが、そのあとは完全にフリーで、まるで本気で観光しに来たような気分でした。

当日のお昼は友達と一緒にバイト先のレストランでご飯を食べていました。普段はスタッフなのに、今度は一緒にバイトしている仲間に案内される側になって、なんだか不思議な気分で、ワクワクしていました。午後は、一緒にスキー場でスノボーをやっていまして、みんな初心者だったので、初心者同士で仲良くこけていました。それもそれで楽しくて、やはりスノボーは一人より、友達と一緒にやった方が楽しいなーと思いました。

夕方にみんながお風呂入った後、ちょうど花火が打ち上げる時間になったので、みんなで再度スキー場に行きました。その時のスキー場ゲレンデは既に色豊かな各種ライトに彩られて、雪像などもあってとてもロマンチックでした。時間になる10秒前に、会場にいるみんながカウントダウンして、「パッと」花火が極めて近くに上げられた瞬間、本当に鳥肌が立ったくらい感動しました。迫力満点のみならず、その15分間すべてはまるで光の幻想的な世界に入ったようで、とても素晴らしかったです。

その一日は、最高の旅を体験したようで、満足して友達と近くのホテルで徹夜して遊ぼうとしたら、バイト仲間から来週のシフトが送られてきて、なぜか休み希望を出したのに、次の日は早朝出勤になっていました!結局夜は友達と一緒に過ごことができず、早く寮に帰って寝ることにしました。仕方ないですが、繫忙期には、自分の思う通りにシフトが入らないこともあります。
きついシフトに足の痛み=最初の地獄
リゾバでつらかったことも確かにありました。特に入ったばかりの時、シフトがきつくて、疲れすぎる理由で早々に辞めてしまう人も周りにいました。
私も最初の時、夕方勤務で午後17:00から夜22:00までずっと働いて、ボロボロになってやっと晩ご飯食べれるようになっても、次の日に早朝のシフトが入ってたら、全然のんびりできなくて、急いてご飯とお風呂などを済ましてたらもう0時頃になり、次の日に5時前に起きないといけない為、睡眠時間は5時間もなかったです。睡眠不足でまた5時間連続立ちながら働いて、本当にきつくて耐えられそうになかったです。さらに、最初の時、私のミスで硬い靴を仕事用に持って来た為、立仕事で足がむくんだだけでなく、靴擦れもひどくて、絆創膏を貼ったとしても、歩くたびに痛みが伴ってきて、一時期は本当に立つだけで死にそうでした。
幸い、入ったばかりの一週間もなく、レストランのマネジャーのけんもつさんという方が、私の靴の硬さと足の異様に気づいてくれて、他の方が履いてた靴でしたが、履き心地の良さそうな靴を提供してくれました。本当にけんもつさんに大感謝です。また、きつきつのシフトも私が人事に相談したら、その後変えてもらいましたので、それで助かりました。

留学生のリゾートバイトの探し方
私は友人の紹介を通して、アルファリゾートという派遣会社のHPでリゾートバイトを探していました。最初に申請したバイト先は、2か月以上働かないといけないという条件があった為、応募できなかったのですが、その後、担当の方からいくつか1ヶ月でもOKの求人をピックアップしてくれて、その中から自分が気に入りのバイト先を見つけることができました。
はっきりと外国人不可のような求人はなかったのですが、電話面接では日本語で話すことが要求されましたので、日本語は少なくとも日常会話レベルが求められるしょう。私の場合は、お気に入りの求人に一回の電話面接でOKもらいました。外国人にとっても、意外とハードルそんなに高くなかったです。
留学生がリゾートバイトで働くときの注意点
留学生の場合、採用時に必ず「資格外活動許可」が要ります。ビザの提出は不要ですが、勤務期間が在留カードの有効期限以内にあることが必要です。
また、夏季休暇など長期休暇中は1日8時間の就労が可能ですが、法律の規定によって、外国人留学生には必ず週28時間までの就労時間制限を守らないといけないです。実際に私がリゾバしていた時、一週間目に28時間超えそうになったことがありまして、その時に職場の人事と相談したら、すぐシフトを調整してもらいましたし、その後のシフトも一切超えることがなかったです。リゾバでは週間28時間を超えがちですので、勤務時間にくれぐれも注意が必要です。
外国人がリゾートバイトで困ったこと
私がリゾバをしていた時に、困ったこともありました。それは、日本語のピッチやイントネーションに慣れていないため、お客様に対して話すときに、リズムや抑揚がうまく伝わらない事です。また、カタカナでなされている様々なレストラン用具や品の名前などをうまく聞き取れないことがありまして、お客様の前で戸惑ったこともありました。
さらに、聞いたことのない単語でドリング機器などの使用手順が説明され、完全に理解できてないまま対応が求められる時もありまして、とてもテンパっていました。いずれもバイトしているうちに、段々わかってきて、最後は日本語の理解力も上がったような気がします。
さいごに|リゾートバイトは私の宝物です
振り返ってみれば、リゾートバイトが私の留学生活の中で一番やって得したことだと思います。毎日自分の労働でそれなりに高いお金が引き換えてくるだけでなく、激安リフト券、雪山の景色に使い放題のプールとマッサージチェア、24時間オープンで好きなだけ使っていい露天風呂、仕事後にすぐ食べれる出来立ての美味しい料理もありまして、リラックスと充実の両者が最高に兼ね合えました。
また、会いに来てくれた友達とゲレンデで見上げた素晴らしい花火の思い出、バイト中で学んだ業界の豆知識や出会った人々から得た知見、一緒にバイトしていた仲間との繋がりも一生の宝物になるでしょう。
とにかく、留学生にリゾートバイトはおすすめです!
